明日は仕事の大晦日か
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20代~30代前半の現場仕事をやっていた頃は、仕事の「年度」というのはあまり意識しなかった。ところが、30代後半を過ぎてマネジメント業務が中心になると、年々「年度」を意識するようになる。
「歳を重ねるごとに一年過ぎるのが速くなった」とよくつぶやく。これには前向きな側面もある。若い頃は、仕事で3年先のことなんて考えたことがなかった。ところが、事業責任を負うようになると、「今年はこのくらいの売上、来年はこれくらい、3年後はこのくらいに成長」と、3年単位で物事を考えるようになる。「20代の1年間=40代の3年間」というのが私の実感。
さて、今期を終えて、私の仕事の結果は「近年にない大敗」だった。今思えば、予算の設計に問題があったのだろう。上期は何とかプラマイゼロ乗り切ったが、下期は地すべり的大敗を喫してしまった。1月の時点で、野球でいうと8回裏12対3でリードを許している状況。満塁ホームランを売っても追いつかない。9回の攻撃は、監督の私が代打で出て1点でも2点でも返すしかなかった。
なわけで、1月~3月はここ数年にない「集中力×時間」で仕事をした。映画『戦国自衛隊』さながら、部下全員を将来の戦線に向けて、たった一人で陣地を守った感じ。結果、3月末に2点を返してゲーム終了。我ながら「まだまだ一線でやれるじゃん」という発見はあった。が、高校野球と違ってビジネスは結果がすべて。負けは負けだ。
40歳を超えてからの5年間を振り返るに、仕事のポテンシャルな能力を底上げしてこなかったことが、ここに来て響いている気がしている。仕事を終えた後、ピアノにかけた時間を、会計や統計、論理思考の習得にかけていたら?なんて思うけど、「もし」を考えても仕方がない。5年間、ピアノに“のめり込まざるを得なかった”のだ。生きるために滋養が必要なように。
数年先、「今期の大敗北があったから今の成長がある」と言えるよう、粛々とやり続けるしかない。
帰り道、ここ数年、あまり読んでなかったビジネス書に、思わず手を伸ばした最終営業日だった。
ビジネスプロフェッショナルの教科書(日経アソシエ スキルアップシリーズ)