家族の最大公約数はミスチル
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私が育った実家はそうだった。父親は、五木ひろしや森進一といった昭和歌謡ど真ん中が好きだった。母親は、南こうせつ、さだまさし等、フォークが好きだった。私は、クラシック、ジャズが好きだった。弟はアイドルソングが好きだった。
ただ、お互いが相容れないかというとそうでもなく、私の薦めで母親は中島みゆきや松任谷由実を聴き始めるようになったし、私は弟の影響で当時女子大生アイドルだった川島なおみのアルバムをしょっちゅう聴いていたし、弟は父親の影響で五木ひろしをしばしば口ずさんでいた。
家庭における「音楽のありよう」って、そんなものじゃないだろうか。
世代が変わって、我が家も似たようなものだ。
私は、クラシック、ジャズ、プログレ等、ジャンルを超えてマニアックな路線を追求する一方、妻はアンジェラ・アキ、いきものがかり等、J-POPど真ん中が好き。長男はアニメソング、ゲームミュージックが好きで、次男はFUNKY MONKEY BABYS、GReeeeNのファン。
息子たちは、家の中にいてもiPodで自分の好きな音楽を聴いており、妻はクルマにお気に入りのJ-POPのアーティストのベスト盤を積んでいる。
繰り返しになるが、音楽の趣味とはパーソナルなものだ。家族全員で同じ音楽を聴くというシーンはほとんどない。
ただ、家族全員でクルマに乗って移動する際、何の音楽をかけるかは難しい。息子がiPodでヘッドフォンを着けて聴いていても、甲高いボーカルのアニメソングが音漏れをしたりすると、私はイラついてしまうことがある。
また、私はアンジェラ・アキの歌がどうしても好きになれないので、私がクルマに同乗している際はCDをかけないよう、妻には頼んでいる。
じゃ、家族全員が気持ちよく聴ける音楽の「最大公約数」って何か?
うちの場合は、Mr.Childrenだ。
さすがは、5月10日に2枚同時リリースされたベストアルバムがアルバムチャートの1位、2位を独占、250万枚を売るだけのことはある。
私がアマゾンで買おうと思ったら、すでに妻が買っていた。このCDが売れない時代に、音楽の趣味の違いを超えて、手に入れたいと思わせるパワーは本当にすごい。
なわけで、今日、家族全員でクルマの中で口ずさんだのは、この曲だった。1994年のヒット曲「innocent world」。

演奏/Mr.Children
トイズファクトリー
ヒット曲「innocent world」ほか、デビュー当時の「君がいた夏」「星になれたら」等、90年代のナンバーを集めたベストアルバム。