12/18 金子勝子ピアノ教室発表会レポート(後編)
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私の演奏が終わって、楽屋に楽譜を置きに行った後、ホールに戻り、第3部の残り、ピアノ指導者4人の演奏、そして第5部マスタークラスの演奏を聴きました。(私の次は同じく社会人のhiroriさんが演奏しましたが、交代でステージに出られたので聴けませんでした)。
ただ、ぶっちゃけ、昨年、一昨年の発表会に比べると、私含めて多くの門下生が苦戦していた印象あり。
すべての演奏が終わった後、師匠の挨拶があるのですが、何だかコンクールの講評のようでした。
「うーん、発表会というのは、自分がただ弾ければいいのではなく、聴く人に何かを感じてもらわなければならないわけで、ここは来年に向けての課題ですね。つい大曲に挑戦しがちですが、小さな曲で完成度の高い演奏をすることが大切です」と。
いやはや、胃が痛い……。この後のパーティーを終えて、同世代のピアノ指導者お二人とご飯に行きましたが、今夜のテーマは「反省」でありました。
ま、さすがに、第五部・ゲストの門下卒業生、中澤真麻さん(ウィーン国立音大 大学院生)のダヴィッド同盟舞曲集は素晴らしかった。カワイ表参道「パウゼ」は、フォルテシモで弾くと音がラウドになって割れがちなのですが、彼女のフォルテシモはまったく割れていなかった。根本的にタッチが違うのだろうな。下は昨年の「飛翔コンサート」での中澤さんのモーツァルト。
ところで、個人的に楽しみにしていたのは、マスタークラスの小学六年生の男子二人。先日、テレビ番組「題名のない音楽会」で素晴らしいショパンの協奏曲を披露した子牛先輩(牛田智大君)と、この夏、ロシアンピアノスクールに選抜された小熊先輩(佐久間雄士君)です。
子牛先輩は一言でいうと天才肌のルガンスキー系、一方、小熊先輩はがっしりした体で繰り出す重い響きが持ち味のベレゾフスキー系。
トイレに出かけた際、小熊先輩が演奏終了後、ロビーで一人で呆然としているところを発見。声をかけると、何だか落ち込んでいる様子。
うさぎ 「どうしたの?」
小熊先輩 「四楽章、途中からズレちゃった。あぁ、お母さんに叱られる」
うさぎ 「あのさ、叱ってもらえる人がいていいじゃん」
小熊先輩 「まぁ、はい……」
小熊先輩の反省の弁が続きました。
うさぎ 「ピアニストになりたい?」
小熊先輩 「はい。ピアニストになりたいです。でも、お父さんは中学に入ったらスポーツもやった方がいいって」
うさぎ 「確かに、ピアノ以外もやった方がいいね。オレはみんなに言ってるんだけど、中学二年のときに一番夢中になったことを仕事にしたらいいよ。いま、決めることはない。そのとき、ピアノに夢中なら、ピアノをやればいい」
なんて、オトコの会話を20分ほどしました。
そう。「中二病」なんて言葉があるけど、私はオトコにとって「中学二年(14歳)」は一つのメルクマールだと思っています。
私は、クラシックピアノも、宇宙戦艦ヤマトも、シルクロードも、大河ドラマも、中二のときに夢中になったものは、その後30年間に渡って引きずっています。きっと死ぬまで引きずるだろうと思います。
もちろん好きな女の子のタイプも、中二のときに刻印されてしまうのです! 私の男友達には、いまだに『タッチ』の浅倉南(左上)を胸に抱いている野郎が多すぎ。理想の女性先輩は機動戦士ガンダムのセイラさん(右上)だし、理想の年上女性は銀河鉄道999のメーテル(左下)だし、理想の女性上司は超時空要塞マクロスの早瀬未沙(右下)だし。
まったくロジカルじゃないけど、私の「中学二年、決定論」にうなづいてくれる元男子は多い。
小学生の男子に告ぐ!
中学二年だ。中二のときの自分を見つめるんだ!
それまでのキミはキミじゃない。お母さんのモビルスーツのようなものだ。
大学の志望校に迷う男子高校生に告ぐ!
中学二年だ。中二のときに好きだった教科を選ぶのだ。
大学のブランドや就職率なんて気にするな!
就活している男子学生に告ぐ!
中学二年だ。中二のときにやりたかったことを仕事にしよう!
たとえ志望の会社でなくとも、40歳になった時、道は必ず開ける!
あれ? 何だか、発表会のレポートからずれてしまいましたが、金子勝子ピアノ教室の最高齢男子生徒より、門下の男子諸君へのメッセージをもって、今年のご報告とさせていただきます。
なんて言いながら、しっかりマスタークラスの若女子&中澤真麻さんと記念写真に収まっている、鍵盤うさぎであります。いくつになっても、男子のスピリッツを失ってはいけないよ!