今さらだけど映画『ボクたちの交換日記』の感想
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映画を観たのは4月中旬。今年は年初からずーーと忙しくて、あまり映画館に行く時間が取れない。この日も『レ・ミゼラブル』を観に行くつもりが、上映時間までに仕事が終わらず、ちょうど時間よく始まる『ボクたちの交換日記』を観に行った次第。
ウッチャンナンチャンの内村光良監督作品ということで、正直あまり期待していなかった。内容は、売れないお笑い芸人コンビ、12年目の青春ストーリーだ。前半は「まぁ、売れないお笑い芸人の悪戦苦闘のお笑い話ね」と油断していたが、後半シリアスな展開に。途中、ある理由によりコンビは解散するのだが、ラスト近く小出恵介の演技が光を増していった。
とはいえ、ありがちといえばありがちなストーリーだし、これといって意表をつく演出もない。作品の出来は、決して一流とはいえないだろう。だが、監督が「お笑い」というホームグラウンドで勝負しているだけに、映画のディテールの出来不出来を超えた心動かされるものが確かにあった。
内村光良は映画監督としてアマチュアだ。ただ、緻密な技術や構成、絵心があれば、いい映画作品が完成できるというものではない。何より、監督が伝えたいことは十分に伝わった。温かい思いで伝わった。
そして、これはアマチュアピアニストの音楽に通じるものがあると思った。
蛇足だが、昼間は薬剤師、夜はキャバ嬢として芸人を支える長澤まさみ、いまはきっと若手女優として谷間なんだろうな。10年後に注目したい。必ず輝く本格派女優になりそうな気がする。
『ボクたちの交換日記』公式サイト
【原作】 芸人交換日記~イエローハーツの物語~
著者/鈴木おさむ
発行/大田出版
結成11年目、いまだ鳴かず飛ばずのお笑いコンビ“イエローハーツ”。これまでコンビの今後について真剣に話し合うことを避けてきたふたりも、気がつけば30歳。お笑いに懸ける思いは本気。でももう後がない。何とかして変わりたい。そう思ったふたりは「交換日記」を始めることにした。お互いの本音をぶつけ合うために。交換日記形式で織りなされる、おかしくも切ない「絆」の物語。(Amazonより)